彼女が目覚めるその日まで

12/16(土)より、角川シネマ有楽町他全国ロードショー

絶対にあきらめない。

NYタイムズ ベストセラー・ノンフィクション第一位 映画化! 原因不明の病と闘った一人の女性と 生きる希望をつないだ家族の感動の実話。

クロエ・グレース・モレッツ トーマス・マン リチャード・アーミテイジ ジェニー・スレイト with キャリー=アン・モス and タイラー・ペリー 監督:ジェラルド・バレット 配給:KADOKAWA

©2016 ON FIRE PRODUCTIONS INC.

原題:Brain on Fire

INTRODUCTION

 最愛の両親や大切な恋人、あるいは自分自身が、ある日突然、人格を奪われ正気と狂気の間をさまよう病にかかったとしたら──あり得ないと思うかもしれないが、その病は日本でも年間1000人ほどが発症していると推定されている。決して、遠い国の縁のない話ではないのだ。    

 主な症状は、感情がコントロールできなくなり、幸福と絶望を行き来し、周りの人々に人間性が崩壊したかのような毒舌を吐く。やがて昏睡に陥りそのまま死に至ることもあるという。大ヒット映画『エクソシスト』の悪魔にとりつかれた少女リーガンを思い出してほしい。彼女のモデルになった実在の少年は、実はこの病の典型的な症例だったと指摘されている。

 2007年、つまりは21世紀になってようやく急性脳炎の一つと位置付けられ、正式に「抗NMDA受容体脳炎」という名前が与えられるまで、精神の病や悪魔憑きと判定され、正しい治療を受けることすら難しかったのだ。

 2009年にこの病にかかった、ニューヨーク・ポスト紙の記者であるスザンナ・キャハランが、壮絶な闘病の日々を、医療記録や家族の日誌などから再現したノンフィクションを発表。彼女も医師から原因不明と見放されたが、決して諦めなかった両親と恋人の尽力で、遂には人生を取り戻す。スザンナと家族の闘いに感銘を受けたオスカー女優のシャーリーズ・セロンがプロデュースに乗り出し、『キック・アス』で大ブレイクを果たしたクロエ・グレース・モレッツを主演に迎え、全米で大ベストセラーを記録した衝撃の実話の映画化を実現させた。

 憧れのニューヨーク・ポスト紙で働く21歳のスザンナ・キャハランは、1面を飾る記者になる夢へと突き進んでいた。付き合い始めたばかりのミュージシャンの恋人スティーヴンを両親に紹介し、仕事も恋も順調だ。ところが、“それ”は足音もなく突然やって来た。物忘れがひどくなり、トップ記事になるはずの大切な取材で、とんでもない失態を犯してしまう。幻覚や幻聴に悩まされて眠れず、全身が痙攣する激しい発作を起こして入院するが、検査の結果は「異常なし」。日に日に混乱し、全身が硬直して会話もできなくなってしまったスザンナを見て、精神科への転院をすすめる医師たち。だが、両親とスティーヴンは、スザンナの瞳の奥の叫びを受け止めていた──。

 スザンナを演じるのは、ファッションやライフスタイルでも、全世界の女性たちから熱い注目を浴びるクロエ・グレース・モレッツ。かつてない迫真の演技で、女優としての劇的なステップアップを成し遂げた。娘への盲目的な愛情が観る者の心を揺さぶる父親には、『ホビット』シリーズのリチャード・アーミティッジ。

知的でクールだが娘のためなら何者にも屈しない信念を秘めた強い母親に、『マトリックス』シリーズのキャリー=アン・モス。一見頼りなく見えるが、深く優しい愛でひたすらスザンナに寄り添い、実際にスザンナが回復してから結婚した恋人スティーヴンには、『キングコング:髑髏島の巨神』のトーマス・マン。

 監督は、シャーリーズ・セロンが過去作からその才能を見抜き、自ら原作を送った新鋭ジェラルド・バレット。「この映画が誰かの命を救いますように」と願い、事実に忠実であることを何より大切にしたと語る監督の意志をリアルな映像で支えた撮影は、『はじまりのうた』『シング・ストリート 未来へのうた』のヤーロン・オーバック。

 目覚めぬ娘を信じ続けた両親、絶対にあきらめないと誓った恋人、彼らに突き動かされた医師たち──愛から生まれた希望と勇気の強さと美しさを描く感動の実話。

STORY

 21歳のスザンナ・キャハラン(クロエ・グレース・モレッツ)の毎日は、希望と喜びに満ちていた。憧れのニューヨーク・ポスト紙で、まだ駆け出しだが記者として働き、いつか第1面を飾る記事を書くと燃えている。プライベートでも、プロのミュージシャンを目指すスティーヴン(トーマス・マン)と付き合い始め、会うたびに互いの想いが深まっていた。

 そんな中、父(リチャード・アーミティッジ)と母(キャリー=アン・モス)が、バースデイ・パーティを開いてくれる。二人は離婚していたが、娘のスザンナを通して良好な関係を築いていた。それぞれのパートナーとスティーヴンに囲まれて、ケーキのキャンドルを吹き消そうとした時、スザンナは初めて体調の異変を感じる。皆の声が遠のき、めまいを覚えたのだ。

 デスクのリチャード(タイラー・ペリー)から、スキャンダルを抱えた上院議員のインタビューという大きな記事を任されるスザンナ。彼女の才能を認める先輩記者のマーゴ(ジェニー・スレイト)からの後押しもあっての大抜擢だ。

 ところが、スザンナの体調は、日に日に悪化していく。視界が揺れ、会話も聞き取れず、夜も眠れなくなり、締め切りを破るだけでなく綴りや文法までミスしてしまう。やがて手足が麻痺するようになり、病院で診察を受けるが、検査結果はすべて異常なしだった。

遂にスザンナは、取り返しのつかない失敗を犯す。上院議員のインタビューの席で、スキャンダルに引っ掛けた下品なジョークで彼を侮辱したのだ。リチャードから激しく叱責されるが、なぜそんな言葉が口から出たのか、スザンナ自身にも分からなかった。

 今度は突然、激しい痙攣の発作を起こすようになるスザンナ。両親に付き添われて精密検査を受けるが、やはり異常はない。そうこうするうちに、劇的な幸福感に包まれてはしゃいだかと思うと、その直後には深い絶望感と被害妄想が沸き起こって周囲の人々を罵倒するようになり、会社の上司はもちろん、両親さえも手に負えなくなってしまう。

 何度検査を受けても、医師たちは「異常なし」と繰り返し、精神の病だと決めつける。必ず原因を究明すると決意した両親と、「絶対に治るから、一緒に頑張ろう」と誓ったスティーヴンが支え続けるが、次第にスザンナは手足が動かなくなり、全身が硬直し、口さえきけなくなってしまう。

 あと3日間の観察で変化がなければ、精神科へ転院させると宣告する医師たち。期限が迫るなか、一人の医師がスティーヴンの“ある言葉”に突き動かされるのだが──。

CAST


1997年、米ジョージア州アトランタ生まれ。子役モデルとして活動を始め、映画とTVドラマに多数出演。映画『(500)日のサマー』(10)を経て、『キック・アス』(10)のヒットガール役で大ブレイク。スウェーデン発のホラーをリメイクした『モールス』(11)や、マーティン・スコセッシ監督初の3D映画『ヒューゴの不思議な発明』、ティム・バートン監督&ジョニー・デップ主演の『ダーク・シャドウ』(共に12)、ブライアン・デ・パルマ監督の伝説的ホラー映画のリメイク『キャリー』(13)や『キック・アス』の続編『ジャスティス・フォーエバー』(14)等次々と話題作に出演。メジャー、インディペンデント問わず、ハリウッドの若手トップ女優としての地位を確立している。

1991年、米オレゴン州ポートランド生まれ。ジェシー・アンドリューズのデビュー小説を映画化した『ぼくとアールと彼女のさよなら』(15・未)に出演。同作は第31回サンダンス映画祭で観客賞と審査員大賞を受賞。コメディ『プロジェクトX』(12・未)で演じた役が予想外の人気を集め、その後『そんなガキなら捨てちゃえば?』(12・未)、『ヘンゼル&グレーテル』(13・未)、『ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者』(13)などの大手スタジオ映画に立て続けに出演。アドベンチャー超大作『キングコング:髑髏島の巨神』(17)ではスリフコ役を演じた。

1967年、カナダ生まれ。20歳でヨーロッパに渡り、ファッションモデルとして活躍したあと、数々のTVドラマに出演する。99年、ジョエル・シルバー製作のSF大作『マトリックス』のヒロイン、トリニティ役に大抜擢され、一気に脚光を浴びる。クリストファー・ノーラン監督の『メメント』(00)では、第17回インディペンデンド・スピリット賞助演女優賞を受賞。その他第73回アカデミー賞ノミネート作品『ショコラ』(01)、グザヴィエ・ドラン主演の『エレファント・ソング』(15)、ポール・W・S・アンダーソン監督の『ポンペイ』(14)等、ジャンル問わずキャリアを積み上げている。

1971年、英レスター生まれ。17歳の時にハンガリー・ブダペストのナハトサーカスに入団する。英国に戻り、94年からロンドン・アカデミー・オブ・ミュージック・アンド・ドラマティックアーツ(LAMDA)で演技を学び、99年から1年半に渡り名門ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに所属する。99年、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(99)にクレジットなしで出演。以降、「MI-5 英国機密諜報部」(02~11)、「ロビン・フッド」(06~09)等英国のTVドラマを中心に活動。11年、マーベルコミックの映画化『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(11)に出演。『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚『ホビット』3部作では、ドワーフ族のリーダー、トーリン・オーケンシールド役に抜擢、シリーズは大成功を収めた。最新作はゲイリー・ロス監督による『オーシャンズ8』(18)への出演が予定している。

1969年、米ルイジアナ州生まれ。幼少の頃の体験を元に黒人文化や社会問題について描き、作家、劇作家、監督、プロデューサー、として活躍。自身が女装して演じる黒人女性Madeaが主人公の一連の作品を始め、多数のヒット作を持つ。また、アカデミー賞で脚色賞、助演女優賞を受賞した『プレシャス』(09)ではオプラ・ウィンフリーと共に製作総指揮を務めている。主な出演作に『バーニング・クロス』(13)、『ゴーン・ガール』(14)がある。2010年12月の経済誌『フォーブス』によるランキング「エンターテインメント業界で最も稼いだ人物」では3位にランクイン、2011年9月の「エンターテインメント界で最も稼いだ男性」では1位に輝いた。

1982年、米マサチューセッツ州ミルトン生まれ。詩人で作家のロン・スレイトを父親に持つ。2004年コロンビア大学を卒業。後にコメディの道を進み、ゲイブ・リードマンとコンビを組んで、コメディアンとしてのキャリアをスタート。2009年から人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」レギュラーキャストとして1年間出演し、人気を確立した。徐々に女優や声優としての活動も広げており、近年では『ズートピア』、『ペット』(共に16)、『怪盗グルーのミニオン大脱走』、マーク・ウェブ監督による『ギフテッド』(共に17)など話題作へも出演している。

STAFF


1987年7月5日、アイルランド生まれ。初監督作品『Pilgrim Hill』は、第24回ゴールウェイ国際映画祭で「見事なデビューを飾った新人監督」として話題に。第10回IFTA映画&ドラマアワードにて同作でライジングスター賞を受賞(前受賞者はマイケル・ファスベンダー)、第39回テルライド映画祭でワールド・プレミアを迎えた。ジャック・レイナ―を主演に迎えた監督2作目『Glassland』は2015年第12回ゴールウェイ映画祭で6部門ノミネートに輝き、サンダンス映画祭でレイナ―に特別審査員賞受賞をもたらした。この『Glassland』を観たシャーリーズ・セロン率いるプロデューサー陣の目に留まり、今作での監督に抜擢された。

1975年、南アフリカ共和国生まれ。『モンスター』(04)で第76回アカデミー主演女優賞、第54回ベルリン国際映画祭銀熊賞、第61回ゴールデングローブ賞主演女優賞などに輝いた。近年では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)女戦士フュリオサ役が話題となった。また、プロデューサーとしてもキャリアを重ねており、主演作『モンスター』、『ダーク・プレイス』(16)、『アトミック・ブロンド』(17)では製作を兼務。Netflixの新ドラマ「ガールボス」(17)では製作総指揮として名を連ねている。自身の映画制作会社デンヴァー・アンド・デリラの代表を務めている。

1985年、アメリカ生まれ。高校3年でニューヨーク・ポスト紙のインターンシップで働き、ワシントン大学卒業後、同紙に入社、雑用係を経て、報道記者に。スキャンダルから犯罪まで幅広い分野をカバーして記事を書く。2009年、24歳のときに原因不明の神経疾患にかかる。7か月後には復帰を果たし、その闘病記「記憶から抜け落ちた謎と錯乱の一カ月」を書いて話題となり、シルリアン優秀賞を受賞。この記事をベースにして本書を執筆、たちまちベストセラーとなる。現在はニュージャージー在住、ポスト紙で主に書籍関連の記事を担当する傍ら、抗NMDA受容体自己免疫性脳炎を知ってもらう為の活動を行っている。本作では、脚本作りや、キャストの役作りに協力したほか、共同プロデューサーとして全面協力している。

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